惚れちゃったかもしれない。てか惚れた。



惚れられたいと思ったかもしれない。てか思った。



でもそれは、身勝手な我が儘なんだとも思った。















  っ て も い い ?















「ふあぁ…」



午前8時。私の起床時間。

ぶっちゃけ遅すぎるくらいだ。前までは。

今ならこれでも、充分間に合うけれど。





タン タン タン





「おや、随分遅いお目覚めだな?

「そう?結構普通になってきたかもよ。」

「だが学校まで30分はかかるだろう?」

「此処からなら今出ても余裕なくらいだけどね。」




朝、今となっては必ず見る顔。

ロイ・マスタング

此処、セントラルで大佐やってる軍人。

んで、アタシ…・マスタングの従兄。10以上歳は離れているけれど。




「確かに、君の学校まで近いな、此の家は。」

「前なんて歩いて一時間かかったからね。日直の時なんて7時起き。」

「今では考えられんな、それは」




今私がこうしている理由。

すっごいと思ったわ。ていうか馬鹿でしょ、って心の中で悪態付いた。

ア パ ー ト 全 焼 。

マジでーって思うわ。今になっても。ちなみにそれは一週間前。

しかも大家さんが原因なんて笑えちゃう。原因はガスコンロつけっぱ。

ははははは、ふざけないでクダサイ。




「にしてもビビッたよ〜。まさかアパートの一番下から火が回ってくるなんて。」

「たしかに、あまりあり得ることではないな。しかも大家ときた。」

「大家さん呪うわ。今はこうしてロイの家に下宿みたいな形だからイイケド。」

「私としても掃除と料理をしてくれる人がいると助かるな。」

「………アタシ、家政婦じゃないんだからね。」




何か上手く口車に乗せられて此処来たみたいじゃない、その言い方。

たまたまロイの管轄内の事件だったから、アタシはロイの家に転がり込んだ。

ロイとは結構長い付き合いだし。かれこれ18年。

ちなみに、火事が起きたとき私はもう少し学校に近い場所に引っ越すために

荷造りをしていたので、服が焼けるとか、損害はなかった。

他の人達は在り来たりだけど、財布と印鑑と通帳をもってた。




「……何かアタシ、結構単純かも。」

「どうした?いきなり。らしくないな、

「だって、『そんな身を削ってまで金を作って暮らすことはなかろう』なんて
 まるで毒牙にかけるような言葉信用して来ちゃったし。」

「…毒牙とはまた失礼な…」

「アンタは昔からあんま信用してない。」




ホント信用ならない。

『ちょっとおいで』と言われてついていったら10歳そこそこの私にアイツは何をしたと思う?

ファーストキス奪いやがった。

………自惚れそうにはなったけどね。

あぁ、そういえば15の時にはセクハラされたっけ。

いや、継続してるな。現在進行形。




「私は部下からは信頼されているのだがね。」

「『信頼』と『信用』は違うわ。」

「…では、君にとって信用ならない私は何かね?」

「……………」




『信頼』と『信用』は違う。信頼は『情』を寄せること。

信用は『情』など存在しない、怪しみながらもとりあえず黙っておくこと。

私はロイのこと、『信頼』も『信用』もしてないよ。

………でもね?




「信用とか、信頼とか。そんなのはないよ」

「では、何かね?」

「………それはね、












































『愛してる』、だよ。」













































これから、生活が変わる。

良くも…悪くも。

アタシはアンタを信用してないよ。

信頼なんて以ての外ってくらいなんだから。

……でもね、わかっちゃったの。

10歳の時のファーストキス。

奪われたって言ったけど、そんなの偽りでしかないから。

本当は口から心臓が出るんじゃないかって思った位なんだから。

アンタの答えは知らない。

周りからの言葉なんかも知らない。耳にしない。

アタシが聞くのはアンタの声だけ。

だから、アンタに『』って名前呼ばれるのもドキドキなんだから。





ねぇ、答えは?




















「………まさかすんなり告白されるとは思ってなかったな。」

「あ、情けじゃないわよ。いくらアンタが三十路になった「まだ三十路じゃない!」

「…わかったわよ。」




怒るよね、いつも。

そんなトコもアタシが惚れちゃったトコロ。

あと、アタシはアンタに惚れて欲しかったの…知ってる?ロイ。

だから頑張っていい学校通って、来年…18になれば軍学校よ。

これでまた一歩アンタに近づけるの。惚れさせるための第一歩なの。




「……知ってた?アタシアンタに惚れてたの。そんで今は惚れさせようとしてんの。」

「………初耳だな、全てが。」

「それからね………全部嘘偽りない素直な気持ちだからね。」

「…周りにどういわれようともか?」

「もちろん。ちなみにその決意をしたのは12の時。」




いっぱい経験してきた。

5つの時にはロイに錬金術を見せてもらった。

8つの時はロイに錬金術の基礎を教わった。

向いてないって言われた。

10歳でファーストキス、15でセクハラ。進行形だけど。

そういえば12の時に冗談交じりに『将来結婚しようか』と言われたっけ。




「………ねぇ、答えてよ。」

「……………」

「…周りの目が怖い?アタシが嫌い?」

「……………」

「……ごめん、アタシウザイね…質問ばっかり。」




アタシばっかりくっちゃべって、ロイは一言も話してくれない。

しかも今ロイ見たら泣きそう。いやだー泣くの嫌ー。

ロイの前で…ていうか、両親や友達の前でも泣いたことないのに。

『強い子』って言われ続けてたのに。




「………私は、」

「………」

「…私は、今猛烈に悔しい。」

「…はぁ?」




期待していたのと、悪い方の想像と、すごくかけ離れた言葉が返ってきた。

何、悔しいって。訳分かんないよ。頭ン中でグルグル言葉回ってるし。

ちゃんと説明して?




「私は悔しい。その言葉は私がに言ってやろうと長年思っていたのだからな。」

「………何だってー?」

「二度は言わん。聞き取れなかったなら流せ。」

「………聞こえてないなんて、そんなの鈍感馬鹿だよ。」




精一杯の笑みで。

言ってやった。

だって嬉しいじゃん?両思いだったんだって。元から。

しかもアタシより前に言うつもりだったんだって、このタラシは。




「さーて学校遅刻しちゃうなぁ」

「私も早く行かないと中尉が怖いな。」

「いい薬じゃない?」

「喧しい」

「ねぇ?」

「何だ?」

「来年からはアタシ軍学校行くんだよ。そうしたら帰り、イチャついて帰れるね?」

「…そうだな。」




フッと笑った顔が凄く綺麗に見えた。

来年からは行き帰りずっと一緒よ。

イチャついて、周りが退くくらいみせつけてやるんだから。

ついでにアンタに『タラシが本命作った』ってレッテル張ってやる。

それからアンタを馬鹿にしてやる。これはセクハラの恨み。




















来年が楽しみね?





…ううん、今日からずっと楽しみだわ。





ちゃんと、離さないでよ?




















=====アトガキ=====

深夜更新。あー起きれるかなぁ…

部活の三年生を送る会あるのに。

わー4時だー(逝け

今回は告白ネタで。つうかプロポーズだー…。

逆プロポだー。でも楽しいなぁこういうのw

私はシリアスとゲロ甘とギャグが好きです。読むも書くも。

ほのぼのは逆に書くの苦手です。でも書きたい(笑




2005.3.28